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肖像画の不思議 麗子と麗子像

, 岸田 夏子
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ペーパーバック : 183ページ ページ
作者 : 岸田 夏子
出版社 : 求龍堂 (2009/5/1)
コレクション : 本
ISBN-10 : 4763009109
フォーマット : 単行本
発行日 : 2009/5/1
平均的な顧客フィードバック : 4.7 5つ星のうち(1人の読者)
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美に取りつかれた、麗子の父親は絵の価値は生きているかどうかだと言い、大金を出して名画を買いあつめた。娘を幼少からモデルにした個性的な絵は人気となり、数10点も制作された。各地の収集家の協力により、麗子像が一つの流れとして見られることになった。麗子自身の激動の歴史と短かった人生も娘により書かれている。麗子像はモデルから離れ、神秘感、憧れ、東洋的なユーモアも感じられ、作者による工夫と実験の産物のように思われた。作者の日記、多くの写真で立体的に作品の理解ができる。夢の中でも多くの色彩が現れた。理想の画廊を求め、郊外のある西洋館の大理石の階段を上り二階の出窓を見ると、それも大理石で素晴らしい。その大理石を拭いている影が見えるが影の本体はいない。恐ろしさに友人と二人で一目散に逃げ帰る夢だった。いつまでも大理石を磨く体のない影は、芸術観の現れだったのか。

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